PER、PBR、ROEが何度やってもおぼえられない・・・
そもそもの意味をちゃんと理解したい・・・
ファイナンシャルプランナーの試験でも出題率が非常に高いのが、「金融資産運用」のパートで出てくる3つの指標です。
僕は今でこそFP2級の資格をもっていますが、この3つの意味がなかなか覚えられずに苦労しました。
でもそれぞれの数値の中身をちゃんと理解できれば、かんたんに覚えることができました。
- 語呂合わせ“で覚えることができる
- 「PER」「PBR」「ROE」の数値の意味が理解できる
この3つの数値について、わかりやすい図解と語呂合わせを入れて説明しています。
僕はこの方法で知識が定着できたので、ぜひ読んでみてくださいね!
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PERの意味を理解しよう!
ここからそれぞれの意味を理解していきます。
FPの教科書ではそれぞれについて、細かい解説がほとんどされていません。
PERは1株あたりの株価が1株あたりの純利益の何倍かを示す数値
こちらで理解できましたか?僕なりにもっと噛み砕いいた言い方で解説していきます。
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PER(株価収益率)は、「お買い得か」を判断
まずは、購入したい会社の株が「お買い得か」をみる判断ができるPERです。
PERとは「Price Earnings Ratio」の略で、覚えかたは「利益」をみるので(利益=Eki)の頭文字の「E」がはいっているというレベルでOKです。
公式とイメージはこちらをごらんください。
ひとことで言えば、今の株価が1株あたりの利益の何倍かがわかる「倍率」です。
上記の例のように、利益の4倍と2倍の会社があった場合でかんがえると、4倍の会社のほうが株価が高い(投資家がたくさん購入している)ことがわかりますね。
- PER(株価収益率)は、倍率が高い会社が「割高」、倍率が低い会社が「割安」
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PERは米国に比べると日本は割安|PERのメリット・デメリット
一見すると2倍の安い会社が「お買い得」にみえるとおもいますが、株式市場全体としてみるとどうなるでしょうか。
こちらは2017年からのPERの推移となります。
<出典>日本経済新聞(2022年2月15日)
ここで見てほしいのは日本のPERは一度もアメリカより高くなっていないこと、
そして、日本(TOPIX500)の水準にくらべてアメリカ(S&P500)は約1.6倍くらいのPERとなっています。
では、アメリカの株価は「割高」ということでしょうか。
こちらは2000年前半からの株価の推移です。
わかりやすいようにPERと同じ指数で(日米比較)みてみましょう。
結果は、アメリカのPERは日本に比べて「割高」でありながら、株価の指標は日本の約3倍で推移しています。
日本の株価は「お買い得」ですが、株価の成長率もそれほど伸びない市場でもありますね…
PERは、同一業種で比較すると“割高“か“割安“かを判断できる
僕の覚え方は、“PER“は真ん中のアルファベットから”E”ki(利益)の率を見る数値です!
ただしPERの数値が低いから一概にダメなのでしょうか?
PERの指標のメリット・デメリットを把握した上で、数値を見極める必要もあります↓
- メリット: 企業の利益に対する評価がわかりやすい。高いPERは成長期待が高いことを示し、低いPERは割安である可能性を示します。
- デメリット: 利益が変動しやすい企業には不向き。景気変動や一時的な損失があると、PERが急激に変動する可能性があります。
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PBRの意味を理解しよう!
PERとすでにアルファベットの並びが似ているのが「PBR」です。
PBRは1株あたりの株価が、1株あたりの純資産の何倍なのかを示す数字
1株あたり純資産とその時の企業の価値を意味する株価は同じである、すなわち「PBR=1倍」の考え方です。
え?わからない?では、僕なりにわかりやすくするために噛み砕いて説明しましょう。
PBR(株価純資産倍率)は、会社が「儲かっているか」を判断
PBRとは「儲かっているか」をみる判断ができる指標です。
PBRとは「Price Book-value Ratio」の略で、覚えかたは「資産(簿価)」をみるので(簿価すなわち=Boka)の頭文字の「B」がはいっているというレベルでOKです。
ひとことで言えば、今の株価が1株あたりの純資産の何倍かがわかる「倍率」です。
ちなみに純資産とは資産から負債を差し引いたものです。(純資産=資産-負債)
上記の例のように、株価が純資産の2倍と1倍の会社を比較すると、「2倍」のほうが「儲かっている」のがわかりますね。
特に1倍は判断基準としてみられており、PBRが「1倍」以下になると問題で、仮にその会社が1倍未満で倒産をすると、株価の価値もないということです。
- PBR(株価純資産倍率)は、倍率が高い会社が「割高」
- 倍率が低い会社が「割安」
- 「1倍」未満の会社は特に注意が必要
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PBRは米国が日本より高い|PREのメリット・デメリット
こちらも日本とアメリカで比較してみましょう。
PER同様、アメリカの会社のほうが儲かっているのでしょうか。
<出典>日本経済新聞(2022年2月9日)
日本のPBRは約1.2倍くらいですね。
それに比較してアメリカは約4.2倍くらいなので、日本の約2倍儲かっているということです。
株価の比較も先ほど見たとおりなので、アメリカのほうが儲かっていてそれと連動して株価も上昇していることがデータを見てわかりますね。
僕の覚え方は、“PBR“は真ん中のアルファベットから“B”oka(簿価)の率です!
ただしPBRの数値を鵜呑みにしてもいいのでしょうか?
PBRの指標のメリット・デメリットを把握した上で、数値を見極める必要もあります↓
- メリット: 企業の資産に対する評価がわかりやすい。高いPBRは企業の成長期待を示し、低いPBRは割安である可能性を示します。
- デメリット: 資産内容の質に注意が必要。資産の中身が重要であり、不動産や設備などの現金化が難しい資産が多い場合、PBRの評価が誤解を招く可能性があります。
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ROEの意味を理解しよう!
ROEは“自己資本利益率“がわかる指標です。
ROEは純利益が自己資本のどれくらいの割合になるかを示した数値
すなわち会社の保有した資本でどれだけ稼げているか=「企業の総合力」がわかります。
もっと噛み砕いて説明しましょう!
ROE(自己資本利益率)は、「効率よく稼いでいるか」を判断
さいご3つ目のROEは、「効率よく稼いでいるか」を判断することができます。
ROEとは「Return On Equity」の略です。これまでみてきた、利益(PER)を純資産(PBR)で割り算した公式となります。
ひとことで言えば、公式のとおりで純利益が自己資本のどれくらいの割合を占めているかを示した数値です。
例の通り、投資した50%の利益がある会社は少しの元手で「効率よく稼いでいる」ということがわかりますね。
言いかえれば、ROEの%が低いほど「利益効率が悪い会社」ともいえます。
- ROE(自己資本利益率)は、率が高い会社は「儲け上手な会社」
- 比率が低い会社は「利益効率が悪い会社」
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ROEは米国が日本よりも高い|ROEのメリット・デメリット
こちらも日本とアメリカで比較してみましょう。
<出典>日本経済新聞(2021年6月3日)
こちらもPER、PBRと同様にアメリカが日本より高い水準ですね(日本は過当競争で利益率が上がりにくい)
過去20年間では、アメリカは13%に対して日本は7.3%でこちらも約2倍の差があります。
ちなみに、アメリカの投資家は「ROE」を重要な指標としてみています。
「ROE」は自社株買いや配当を増やすと「自己資本(分子)」は減少するので率があがりますね(それにアメリカは独自のビジネスモデルで利益率が高い)
僕の覚え方は”ROE”を並び替えると”ORE(オレ)”になるので自己(オレ)資本の率です。
ただしROEの数値を鵜呑みにしてもいいのでしょうか?
ROEの指標のメリット・デメリットを把握した上で、数値を見極める必要もあります↓
- メリット: 企業の収益性がわかりやすい。高いROEは企業が効率的に資本を利用していることを示します。
- デメリット: 自己資本が少ないと高くなりすぎる場合がある。借入金が多い企業では、ROEが高くてもリスクが高いことがあります。
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PBR=ROE×PERでなぜ指標を正しく見る必要があるのか?
ここまで説明したようにPBRとPERは、会社の価値を判断するための指標です。
この2つの指標は株価(投資家)によって大きく数値がブレることがあります。
実は、PBRとPERは、ある式で表すことができます。
PBR=ROE×PER
ROEは、会社の利益を自己資本で割ったものです。自己資本とは、株主が出資したお金と、会社が今までにためた利益の合計です。ROEが高いほど、会社が効率的に利益を生み出していると言えます。
つまり、この式は、会社の価値は、会社の「本当の価値」、効率的な利益の上げ方、そして利益を生み出す能力の3つで決まることを表しています。
例えば、会社Aと会社Bがあるとします。
- 会社A:PBR=1倍、PER=10倍、ROE=10%
- 会社B:PBR=2倍、PER=20倍、ROE=10%
PBRだけを見ると、会社Aの方が割安に見えますよね。
しかし、PERとROEを見ると、会社Aと会社Bは同じような会社と言えます。
つまり、PBR=ROE×PERという式を使うことで、会社の価値をより深く理解することができます。
PBR=ROE×PERという式は、会社の価値を判断するための便利なツールですが、この式だけで投資判断をするのは危険です。
他の指標も併せて、会社をしっかりと分析することが大切です。
株式投資する人はこの見出しも参考にしたいところ
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PERとPBRどっちが大事? ※投資目線
PERとPBRは、株の値段が割安なのかどうかを判断する指標です。
- PER:会社の利益が株価にどれくらい反映されているかを見る指標
- PBR:会社の資産が株価にどれくらい反映されているかを見る指標
- どっちの指標が重要かは、投資したい会社の成長性や資産状況によって異なる
例えば、成長している会社は利益が高い分、PERが高くなる傾向があります。
一方、資産が多い会社はPBRが低くなる傾向があります。
やみくもにPER、PBRが高いから株価が高いとは言い切れず、また業種によっての指標も変わります。
気になる会社の株の購入を検討しているかたは、同じ業種の中でも指標が高いのか・低いのかも見ながら検討してみてはいかがでしょうか。
応援したい会社の株を買う前に業界の指標をチェックしてみよう
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3つの指数(PER/PBR/ROE)の覚え方 まとめ
- PERは、アメリカより日本が「お買い得」 →Eki(益)の率
- PBRは、日本よりアメリカが「儲かっている」→ Boka(簿価)の率
- ROEは、日本よりアメリカが「儲け上手」→ ORE(俺=自己資本)の率
3つの指標について、日米の数値を見て理解できましたでしょうか。
日米の数値の差は、考え方の違いも影響しています。
アメリカは「株主至上主義」の考え方がありますが、日本の会社は以下のような要因があるといわれています。
- 内部留保(利益を抱え込む)が増えづつけている
- 設備投資が積極的ではない = 成長できる未来がみえない
- 賃金の上昇がない = 消費が伸びない
将来成長が見込める市場に投資をするのは自然のことですよね。
この記事でPER、PBR、ROEが理解できて、FPの試験対策にもなることをお祈りします♪
参考までにFPを勉強していて、「これってなんでこんな制度なの?」とか「FPの知識を活かして何ができるか」をもっと理解したい方はこちらの本も知識の補完としておすすめです。
あめこめ侍