「FP試験に出てくる“4つの土地“を早く覚える方法はないの」
「土地の価格の調べ方はかんたんにできないの」
FP試験の不動産パートで最初に出てくる暗記パートが「4つの土地」です。
試験に頻繁に出題されるので、確実に点数を取りたいところですがなかなか覚えられないですよね…僕も覚えるのに時間がかかりました。
- 土地の価格の意味が理解できれば、自然に記憶に残る
- 語呂合わせとオリジナルの図解でかんたんに暗記できる
ただ、覚えられない原因は言葉をそのまま“覚えようとするから“であって、理由をちゃんと理解すれば自然と身に付きます。
僕が実際に“語呂合わせで暗記した方法“もご紹介しますので、ご活用ください。
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「4つの土地」の意味をかんたんに理解しよう
「4つの土地」とは以下となります。
- 公示価格 →市街地が中心
- 基準値標準価格 →地方の山林も含む(公示価格の補完)
- 相続税評価額
- 固定資産評価額
FP試験の教科書を読んでも、「価格の目的」まで説明していることがあまりありません。
だから覚えにくいのですが…
まずはどういった時に利用するかを確認しましょう。
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①公示価格
例えば、相場が決まっていない土地を売買しようとした場合に土地の価格の基準がないと困りますよね。
高く売りたい“売り手“と安く買いたい“買い手“がお互いに納得して売買するためには基準となる価格が必要です。
その基準となる価格を決めるのが国の機関である「国土交通省」です。
- 土地の価格の基準を国(国土交通省)が決めている
- 毎年1月1日時点における、全国26,000地点で実施している
26,000地点って多いかどうかわからないですよね、参考までに小学校は約19,000校あるので“小学生が歩いて通学できる範囲よりは少し多いところ“で価格を決めています。
国の機関が“ここまで細かく価格を調べている“とわかると、イメージがつきやすくなったのではないでしょうか。
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②基準値標準価格
基準値標準価格は国が決めた”公示価格”の補完として不動産鑑定士の評価を踏まえた価格です。
各都道府県が公示価格の補完として、決めているので“価格水準は公示価格と同じ“なんですね。
- 公示価格より細かい地点の価格を都道府県が決めている
- 毎年7月1日における価格のため、公示価格と比較すれば地価の変動がわかる
- 調査地点は2万強
なお、4つの土地の価格で「基準値標準価格だけどうして7月?なんで?覚えにくい」って僕も思っていました。
これは公示価格1月のちょうど半年後に決めることによって、年間の金額差がブレにくい理由です。
国が公示価格を決めるのが1年ごとなので、間を取って都道府県が調査すれば地価の変動もわかりやすいですよね。
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③相続税評価額
相続税評価額(路線価)は、相続税や贈与税を算出する際の財産評価をおこなう場合に適用されます。
FPのカテゴリだと「相続・事業承継」のパートになりますが、土地を譲り受けた時の税金を決めるための価格と理解しておりましょう。
- 相続や贈与されたときの基準となる土地の価格
- 毎年1月1日が基準となり、公示価格の80%の価格水準で決められている
- 調査地点は32万強
相続税や贈与税の算出の元になる価格なので、公示価格で計算すると損してしまいますよね。
ですので、80%(割安な価格)が設定されていると考えると納得感があります。
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④固定資産税評価額
固定資産評価額は持ち家がある方なら、毎年固定資産税の請求書が届くのでなじみがあるのではないでしょうか。
- 不動産取得税や固定資産税など、不動産に関する税の算出に使われる
- 3年に一度評価がえがあり、公示価格の70%の価格水準で決められている
固定資産税って物件にもよりますが、高額の税金ですよね。
持ち家である以上、毎年請求されるので70%(さらに割安な価格)が設定されているとこちらも考えることができます。
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4つの土地の価格を図解と語呂合わせで覚える
4つの土地のについては基準日や決定機関もなかなか覚えられませんでした…
特に固定資産評価額と相続税評価額の価格水準ってごちゃごちゃになりやすいですよね。
土地の価格の名前と価格水準を語呂合わせで覚えよう
暗記するために、よくある語呂合わせといえば「いいお花」があります。
土地の価格 | 公示価格 | 基準値標準価格 | 相続税評価額 | 固定資産税評価額 |
価格水準 | 100% | 100% | 80% | 70% |
語呂合わせ | 1 = い | 1 = い | 8 = は | 7 = な |
これだとどの「土地の価格」がどの価格水準がわかりません。
かゆいところまで手が届くように、僕が実際に覚えた語呂合わせを紹介します。
工事現場の基地の倉庫にいいお花
工事現場の | 基地の | 倉 | 庫に | |
語呂合わせ | “公示“ | “基“準“値“評価 | “相”続税 | “固”定資産税 |
価格水準 | い (100%) | い (100%) | おは (80%) | な (70%) |
工事現場の基地の倉庫ってどこやねん!て感じですが、このワードであれば“価格の名称“も網羅できます。
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かんたん図解で暗記する
先ほどの語呂合わせと合わせて、ここまでの説明を1枚の図解でまとめてみました。
「決定機関」のイメージと「基準日」もわかりやすく説明しています。
僕もFP2級まで取得していますが、こちらの表の穴埋めも多く出題されるので試験対策にも活用できます。
土地の価格は不動産の基本となるので、シッカリと覚えてしまいましょう!
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土地価格のかんたんな調べ方(実践編)
「4つの土地」を実用的に使う方法について、ご紹介します。
不動産の価格や相続税や固定資産税のコンサルティングをする上で、なんとスマホがあればどこでも対応が可能なんです。
国土交通省のサイトを活用すれば、外出先でも対応ができて便利なので覚えておきたいところですね!
「土地情報総合システム」で土地の価格を調べる方法
土地の価格はその時々で変動をするため、不動産のコンサルティングでは素早く、そして手軽に調べたいものです。
そこで、国土交通省の「土地総合情報システム」を利用し、インターネットで調べる方法を見ていきます。
- ①「土地総合情報システム」にアクセスする
- ②「地価公示・都道府県地価調査」を選択
- ③日本地図から調べたい都道府県、市町村を選択
- ④地図上の記号※を選択すると「地価」が表示される
少しわかりにくいですが、地図には記号※がありそれぞれには以下の意味があります。
<記号※の意味>
● = 公示価格
▲ = 都道府県地価調査(基準値標準価格)
■ = 両者共通の場所
国土交通省 「土地総合情報システム」→「地価公示・都道府県地価調査」
僕も住んでいる土地の価格を調べて見ましたが、画像の通り記号がかなり“薄い黄色“で表示されているのでよく見てみてくださいね。
百聞は一見にしかずなので、自分の自宅周辺を調べてみると“どのくらいの間隔ごとに土地の価格が決められているか“もわかりやすいですよ!
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公示価格を利用したコンサルティング方法
FPは幅広い知識から、コンサルティングをおこないます。
相続や贈与、土地の譲渡の税金まで色々な提案が必要となります。
「土地総合情報システム」でその土地に近い価格がわかれば先ほどの「価格水準」で評価額でコンサルをおこなうことが可能です。
- 相続税(贈与)評価額 = 公示価格 × 80%
- 固定資産税評価額 = 公示価格 × 70%
これさえ覚えていれば、スムーズに相談を進めることができる場合もあります。
スマホ1つで提案もできるので、こちらはFP資格を活かすためにも是非とも覚えておきましょう。
公示価格の動向 (2022年)
せっかくなので最近の公示価格の動向をて見てみましょう。
2022年の公示価格の前年比をまとめました。
2022年は前年より全国で+0.6%と上昇。コロナの影響でテレワークを郊外でおこなう傾向があり、人の流れも郊外に移っていきました。
全用途 | 住宅地 | 商業地 | |
全国 | +0.6% (▲0.5%) | +0.5% (▲0.4%) | +0.4% (▲0.8%) |
東京圏 | +0.8% (▲0.5%) | +0.6% (▲0.5%) | +0.7% (▲1.0%) |
大阪圏 | +0.2% (▲0.7%) | +0.1% (▲0.5%) | +0.6% (▲1.8%) |
名古屋圏 | +1.2% (▲1.1%) | +1.0% (▲1.0%) | +1.7% (▲1.7%) |
商業地の上昇率がまだ低い状況など、全国の動きは覚えておくとコンサルにも活用できるでしょう。
僕もそうですが、公示価格が公表される3月初旬の新聞をみると前年比でどのように推移しているかなど傾向がつかめますので、もっと馴染みが出てきて覚えやすくりますよ。
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FP試験「土地の価格」を図解で覚えるまとめ
お時間がない方はこちらのみ確認してください。
- 公示価格 = 国(国土交通省)が定めた基準となる価格
- 基準値標準価格 = 都道府県が公示価格を補完(より多くの地点で公表)
- 相続税評価額 = 相続や贈与する計算の元となる価格
- 固定資産税評価額 = 持ち家に課せられる固定資産税の計算の元となる価格
- 価格水準は「工事現場の基地の倉庫にいいお花」の語呂合わせ→「公示現場の基値の相固に1187」 ※図解参照
覚えられましたか?
何度も口に出してみると自然と身についていきます。
土地も価格はFPの試験以外にも、相続などの計算も自分でできるので僕自身もこのスキルはとても活用できています!
FPは覚えることがたくさんありますが、この図解で少しでも合格に近づくツールになると嬉しいです。
@あめこめ侍